放射線部では、主に一般撮影をはじめ血管造影、CT、MRI、核医学、超音波などの検査と放射線治療を行っています。それぞれ最新の設備、装置を有し、600床の急性期病院に相応しく、高度専門医療に対応できる体制になっています。大型機器はモダリティごとに複数台設置されています。1Fフロアには、CT、MRI装置がそれぞれ3台と血管撮影装置が3台、SPECT装置が2台、PET-CT装置1台、放射線治療にはリニアックが1台あり、2Fフロアには一般撮影装置、透視TV装置がそれぞれ3台、乳房撮影装置、骨密度測定装置、パントモ撮影装置等の機器があります。
OP室にはハイブリッド血管撮影装置、磁場カテーテルナビゲーションを備えております。他職種が集結する職場でもあり我々診療放射線技師をはじめ、医師、看護師、臨床工学技士、臨床検査技師等と連携し、協力しながら業務にあたっています。またこれらの高度医療機器を駆使するため、各種分野で専門性の高い認定資格を取得したスタッフを多数配置し、日々進歩する医療に対応できるよう向上心を持って取り組んでいます。当施設は医療被ばく低減施設の認定も受けており、日々の低減活動を行いながら、患者さんそれぞれの状態にあった最適なX線量での撮影を常に心がけています。安心・安全で迅速に診断価値の高い画像を提供し、地域医療に貢献できるよう職員一同努力しています。
品質管理
当院では、週に一度の頻度で放射線治療装置から照射される放射線量の出力測定および線量校正を行っています。線量校正とは、放射線治療装置の放射線量を管理する作業で、放射線治療を行う上で基本となる重要な項目です。当院では、放射線治療用照射装置の基準条件における放射線量に対し、第三者評価機関である公益財団法人医療原子力技術研究振興財団によって、放射線量が適切であると評価されています。
また、治療精度を担保するため、QA(品質保証)/QC(品質管理)を行っており、臨床使用する上で問題のないことを定期的に確認しています。
検証
放射線治療において患者さんに照射される放射線量は、薬剤の投与量と同様に非常に重要なものです。放射線は目に見えず、身体で感じることも出来ないため、放射線治療専門医の処方する放射線量が患者さんに確実に照射されているのかを確認する事は必要不可欠です。当院では、様々な測定方法を用いることで放射線量の測定を行い、放射線治療の精度管理を行っています。
さらに、放射線治療を行う全症例に対して、安全に放射線治療が可能かどうか治療前に検証作業を行います。検証とは、治療計画装置(シミュレーター)と実際に照射される放射線量や線量分布の相対比較を行い、誤差がどの程度になるか確認する作業です。放射線治療において、治療計画装置から出された結果は理論値であり、他の検証機器やデータで確認が必要になります。もし、理論値と実測値に乖離が生じた場合には、医師に報告し治療計画の見直しを行い安全に治療を遂行いたします。
放射線治療担当看護師より
放射線治療は、根治を目指すものから症状を緩和するものまで幅広く用いられています。放射線治療は1回10分程度の治療であり、手術や抗がん剤治療に比べると身体への侵襲は少ないため、高齢の方にも安心して受けていただくことができます。
当院の放射線治療室には、看護師が常時勤務しています。初診時には、医師の診察だけではなく、看護師が患者さんの病気に対する思いや不安などで気がかりなことについて問診を行います。患者さんによっては、医師に直接聞きにくいこともあると思います。そのような時は看護師が患者さんの代弁者となれるように、話しやすい雰囲気作りも心がけております。「がん」や「再発」の告知を受けてから間もなく、気持ちの整理がつかないまま放射線治療が開始されることも少なくありません。また、常に治療の効果や再発への不安を抱いて治療を受けておられますので、そのような不安な思いに寄り添い放射線治療が予定通り最後まで受けられるようにサポートをしています。