参加プログラム
研修の目的・特色
年間1000件近くの入院患者に対する病棟他科診コンサルテーション、年間1600件以上のリエゾン/認知症ケアチーム介入依頼、年間500件以上の外来紹介初診患者を、精神神経学会指導医2名を含む2名の精神神経学会専門医で診療している。大学病院や精神科単科病院で常勤として勤務する非常勤医師が在籍し連携をとっている。リエゾンコンサルテーションは、一般的なせん妄や不眠、抑うつの診察に加え、認知症疾患医療センター指定病院の機能をもとに認知症ケアチームによる入院中患者の認知症ケア、認知症診断、家族ケア、地域連携に力を入れている。また入院患者の人権や医療安全の視線のもと、身体拘束最小化チームを身体科とともに主導している。充実した小児科・産科体制のもと周産期メンタルケアに力を入れており、周産期メンタルヘルスカンファレンスを産科医師や助産師、地域の保健師と行っている。緩和ケアチームとも協働してカンファレンスや回診に参加している。
当院には各分野の専門医が多く在籍しており、専門家の意見を聞きやすい環境にある。精神疾患のみならず、身体合併症を診ていきたいと考えておられる方には良い研修ができると思われる。学会参加や発表、論文作成など、専門医取得に向けてのサポートも充実している。
→ 精神疾患の鑑別診断や精神疾患にみえる身体疾患の診断過程を習得できる。
→ 抗精神病薬(LAI含む)、抗うつ薬、気分安定薬、睡眠薬、抗認知症薬(抗体製剤を含む)などの使い方をマスターできる。
→ 身体合併症入院患者の精神疾患のマネジメントができる。
→ 神経心理検査や頭部CT,MRI,SPECT,アミロイドPETなどの画像検査を習得できる。
→ 多職種(看護師、薬剤師、心理士、MSW、PSWなど)でのチーム医療(リエゾンチーム、緩和ケアチーム、身体拘束最小化チーム、認知症ケアチーム、肥満外来チーム)に参加し、多職種連携に取り組むことができる。
→ 周産期からの小児虐待対策を、周産期メンタルヘルスカンファレンス、小児虐待対策委員会を通して取り組むことができる
→ 認知症者や高齢者、がん患者さんへの意思決定支援を認知症疾患医療センター、認知症ケアチーム、がん対策委員会などを通して取り組むことができる。
→ 身体拘束最小化チームを通して、入院患者さんへの人権意識をもちつつ医療安全の視線を養うことができる。
→ 論文抄読会や症例検討、学会参加を通して、リサーチマインドを育成でき、学会発表、論文作成などに取り組むことができる。
週間スケジュール
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
午前 | リエゾン初診 病診連携初診外来(1人) | 再診外来 | リエゾンチーム/認知症ケアチーム合同カンファレンス・回診 | リエゾン初診 病診連携(1人)・外来他科診(1人) | 再診外来 |
午後 | 緩和ケアカンファレンス・回診 肥満外来カンファレンス(月1) | 精神科カンファレンス・論文抄読会/クルズス・周産期メンタルヘルスカンファレンス(月1) | 身体拘束最小化チーム回診 |
稼働実績・診療実績
専攻医 実績件数
2022年度 | 2023年度 | |
外来新患 病診連携 | 128件 | 102件 |
他科コンサルテーション | 93件 | 140件 |
病棟新患 | 450件 | 485件 |
病名 F0(認知症・せん妄) | 147件 | 214件 |
F1(アルコール依存・離脱) | 5件 | 14件 |
F2(統合失調症圏) | 175件 | 214件 |
F3(気分障害圏) | 76件 | 106件 |
F4(神経症圏) | 90件 | 118件 |
F5(摂食障害など) | 2件 | 0件 |
F6(パーソナリティ障害など) | 0件 | 1件 |
F7(知的障害) | 8件 | 5件 |
F8(自閉症など) | 3件 | 5件 |
F9(その他) | 3件 | 1件 |
※再来新患があるため、合計数は一致しない。

業績
学会・研究会・講演会
投稿論文
指導医からのメッセージ
精神神経科 主任科部長 大谷 恭平
加古川西市民病院からの精神神経科の歴史は長く、多くの患者さんの外来診療を行っております。地域の医療機関から紹介頂く症例も豊富ですのでさまざまな経験を積めます。自分自身、患者さんの精神面のみならず精神面に影響を及ぼす身体疾患を評価できる医師になりたいと思い総合病院精神科で勤務しております。丁寧な診察やアセスメントによってより確実な診断、適切な治療につなげていくことのできるこの分野に興味を持ち始め、その中で感染症やがん診療などについての知識を拡げてきました。当院には各専門科や他診療科の先生方も多数在籍していますので、さらに自分の診療の幅を広げていけたらと思います。
認知症疾患医療センターの指定を受けているため、認知症の診断業務や家族ケアに積極的に携わることができます。日本老年精神医学会の研修施設でもありますので、認定医や専門医を取得し、抗Aβ抗体薬の薬物療法などの先進的な認知症診療にかかわっていくことができます。周産期メンタルヘルスや児童虐待の防止、小児の成人移行など出生前から青年期までの一連の流れの研修を積むことができます。抄読会や学会・研究会での発表などのサポートも行っています。研修に来られる研修医のみなさんと一緒に良い診療ができるように研鑽していきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
専攻医からのメッセージ
精神神経科 専攻医 I.N (2025.4)
私は精神科専攻医として1年間、主にリエゾンと外来を中心に経験させていただきました。
リエゾン領域では身体疾患に伴うせん妄、精神作用物質による意識障害、認知症周辺症状にともなう不穏などを数多く経験し、鑑別の重要性を痛感しました。
また、認知症ケアチームやリエゾンチームの一員として、総合病院ならではのチーム医療を経験できたことも大変貴重な経験でした。加古川中央市民病院は診療科同士の垣根が低く、相談しやすい土壌がある点が大きな魅力だと思います。
外来でも神経症圏や気分障害、認知症、周産期の気分変動など、総合病院ならではの多岐にわたる患者様を担当する機会にも恵まれました。
当院は上級医の先生方に相談しやすい雰囲気であり、充実した研修を進めることができました。ぜひ当院での研修をご検討ください。
精神神経科 専攻医 T.M(2023.4)
精神科専攻医として1年間勤務し、リエゾンと外来を中心に多様な症例を経験しました。
リエゾンではせん妄を中心に、身体疾患に伴う精神障害などを経験しました。精神科において、意識障害や器質性精神障害の見極めは重要であり、とても良い勉強になりました。また認知症ケアチーム、リエゾンチームとして、他職種や他科と密に連携して治療を行っていました。大規模な総合病院かつ豊富な診療科がありながら、各科の垣根が低く非常に相談しやすいことは、当院の魅力だと思います。
外来でも様々な症例を担当しました。産婦人科と連携し、精神疾患合併妊婦も診察しておりました。また認知症疾患医療センターとして、認知症の初診患者も多く経験しました。小児科とも連携し、児童症例も何件か主治医として担当しました。
加古川中央市民病院では上記のような総合病院特有の症例を十分に経験することができます。症例は多様で診断や治療に苦慮することもありましたが、上級医に気兼ねなく相談でき、安心して研修することができました。また学会発表も経験させていただきました。ぜひ当院での研修をご検討ください。
学会認定
スタッフ紹介
(兼)認知症疾患医療センター センター長
専門分野
学会専門医・認定医
日本総合病院精神医学会一般病院連携精神医学専門医・指導医
日本臨床精神神経薬理学会専門医・指導医
日本老年精神医学会専門医・指導医
精神保健指定医
銃砲刀剣類所持等取締法指定医
日本臨床精神神経薬理学会評議員
日本総合病院精神医学会評議員
日本サイコオンコロジー学会登録精神腫瘍医
日本医師会認定産業医
日本精神神経学会認定認知症診療医
厚生労働省認定臨床研修指導医
医学博士
専門分野
学会専門医・認定医
精神保健指定医
公認心理士
医学博士