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令和元年度 病院指標 | 加古川中央市民病院

令和元年度 病院指標 / 病院指標

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令和元年度 加古川中央市民病院 病院指標 (期間 平成31年4月~令和2年3月)

年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード

 

 

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 3718 575 454 793 1051 1450 2774 4948 2746 475

令和元年度の全退院患者さんのうち、0歳~9歳が占める割合は 19.6%あり、他の医療機関に比べて低年齢層の割合が高いことが特徴のひとつです。小児科・小児外科を中心とした「こどもセンター」や、産婦人科を中心とした「周産母子センター」による24時間365日の救急医療体制を整備し、新生児から小児に至る重症度の高い患者さんを受け入れています。
また、70歳以上が占める割合は 43.0%(前年度比 +3.6%)となっており、徐々に患者さんの高齢化割合が高くなっています。
当院は、急性期および高度急性期病院としての実績が評価され、令和2年4月から大学病院同水準とされる「DPC特定病院群」の指定を受けました。これからも引続き東播磨医療圏における基幹病院として、全年齢層の患者さんをカバーできる総合診療体制を整え、地域医療に貢献していきます。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

 

 

総合内科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 定義副傷病 なし 58 12.81 12.58 25.86 77.24
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし 18 13.11 12.55 33.33 81.83
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 なし 14 17.00 19.29 21.43 79.21
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 13 14.69 20.84 38.46 84
130090xx97x0xx 貧血(その他) 手術あり 手術・処置等2 なし 10.49

総合内科では、どの診療科を受診するのか明確でない症状や、複数臓器にまたがる全身症状に対応する総合的な診療を行っています。昨年同様に高齢の入院患者さんが多く、免疫力低下が原因での炎症系疾患が特に多い傾向です。疾患内訳では腎・尿路からの細菌感染症、蜂巣炎、敗血症、誤嚥性肺炎に至った症例などが多くを占めており、疾患の名前が同じであっても、その疾病を持つ患者さんは一人一人異なるため、必要に応じて他科専門診療科医師と連携し、原疾患の治療を行うなど幅広い対応を行っています。


消化器内科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 171 9.31 9.79 4.68 73.85
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病 なし 132 2.53 2.63 0.76 65.65
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2 なし 80 9.28 8.27 1.25 74.29
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 50 8.06 7.65 2.00 63.58
060140xx97x00x 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 49 9.69 10.49 6.12 74.06

胆道(胆嚢、胆管)や大腸、胃の消化器系疾患が上位を占めています。最も多かった病状は総胆管結石と総胆管結石性胆管炎、2番目は大腸ポリープ、3番目は胃がんとなっています。4番目は結腸憩室炎、5番目は急性を含む出血性胃潰瘍、出血性十二指腸潰瘍が主な病状です。
なお、1番目~3番目は前年度と同順位で変化はありません。4番目の「穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患」は前年度は5番目、5番目の「胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄」は前年度は4番目と順位が入れ替わっていますが、ほぼ同様の症例数となっています。
消化器内科では、上部下部消化管疾患の診断にかかる内視鏡検査や、早期胃がんの治療として開腹する必要のない内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や内視鏡的粘膜切除術(EMR)といった内視鏡的治療を積極的に行っています。なお、上部・下部内視鏡実施件数は12,000件/年超を施行し、迅速な診断、早期の治療を推進しています。


循環器内科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 336 13.41 17.71 16.07 78.33
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2 なし 298 4.61 5.02 0.00 63.16
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 269 3.81 4.40 1.12 69.02
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 260 2.46 3.01 0.38 69.59
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 136 11.16 12.37 1.47 67.64

心不全は心臓の機能が低下した状態を指し、症状としては体のだるさや息切れ、むくみなどがあげられます。心不全の原因によって治療方法が異なりますが薬物での治療やカテーテルによる治療を行う事もあります。心不全以外には狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、不整脈といった症例が上位を占めています。虚血性心疾患の主な治療は、薬物療法や経皮的冠動脈形成術(PCI:カテーテルによる血管内拡張術)などで、不整脈の主な治療は、薬物療法やカテーテルアブレーション(経皮的カテーテル心筋焼灼術)、心臓ペースメーカー治療などが選択されます。なお、当院では、心臓血管センターを立ち上げており、循環器内科だけではなく心臓血管外科などの他診療科と連携して横断的な治療を推進しています。そのため、例えば、PCIが行えない、血管再狭窄を繰り返す症例といった場合には、心臓血管外科と連携して冠動脈バイパス術に移行するなど、様々な循環器疾患を院内で治療完結できる体制を整えています。また、循環器疾患の受入れに関して24時間365日の救急対応を行っており、今後も東播磨圏域の多くの循環器疾患の治療に対応します。


呼吸器内科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2 なし 87 15.61 18.84 14.94 72.91
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 76 15.36 20.84 38.16 80.97
040040xx99041x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 あり 75 8.96 16.87 4.00 70.01
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 あり 68 2.00 2.03 0.00 54.99
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 63 8.97 9.59 3.17 70.87

1番多いのは間質性肺炎です。慢性経過中に急性悪化が生じたり、薬剤誘発による肺臓炎など、緊急入院となることが多いです。2番目が誤嚥性肺炎です。誤嚥とは、唾液や食物、胃液などが気管に入ってしまうことをいいます。その食物や唾液に含まれた細菌が気管から肺に入り込むことで起こります。3、5番目は肺がんの症例です。進行した状態や再発のため薬物療法目的での入院が多いです。肺がんでは、気管支鏡検査・PET-CTなどでの診断、呼吸器外科、放射線診断・IVR科、放射線治療科などの他の診療科と連携し、手術・放射線療法・薬物療法、がん免疫療法といった治療に加え、緩和ケア治療も積極的に行っており、医師や看護師、薬剤師、管理栄養士などの様々な職種がチーム一丸となって支援しています。4番目はいびきや睡眠時無呼吸症候群の検査入院です。睡眠と呼吸の「質」の状態を調べる終夜睡眠ポリグラフ(PSG)検査を1泊2日の入院で行っています。


糖尿病・代謝内科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100071xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 あり 85歳未満 56 8.02 14.74 0.00 70.25
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 28 12.21 13.41 7.14 51.04
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 85歳未満 25 7.48 13.72 4.00 57.56
100071xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 85歳未満 18 7.39 14.10 0.00 63.06
100070xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 あり 85歳未満 13 7.69 15.20 0.00 64.69

1、3、4、5番目はすべて2型糖尿病の治療が占めています。2型糖尿病の治療でも複数に細分化されているのは、同じ病気であっても治療方法が異なったり、ほかの病気を患っていて並行治療しなければならないといった場合があるためです。2番目は、糖尿病性ケトーシス、糖尿病性ケトアシドーシス、ペットボトル症候群といった病状で占められています。当院では、急性期の糖尿病昏睡や重症低血糖患者さんの受入れや糖尿病の教育入院を行っています。なお、周産期母子医療への貢献として、産婦人科と連携して妊娠糖尿病患者さんの診療を引き受けています。また、1型糖尿病患者の友の会を運営しており、東播磨圏域の1型糖尿病患者さんの積極的な支援を行っているほか、患者さんや家族に向けた糖尿病教室を毎月開催し、糖尿病予防や継続治療の重要性といった啓発を行っています。


腫瘍・血液内科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 43 14.88 15.79 0.00 68.93
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等2 2あり 28 29.18 39.36 0.00 51.07
130030xx99x30x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 3あり 定義副傷病 なし 20 12.55 16.50 0.00 62.00
130030xx97x3xx 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等2 3あり 17 21.35 32.20 11.76 62.88
130030xx97x40x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 13 20.46 31.30 7.69 71.85

腫瘍・血液内科では、悪性リンパ腫に分類される非ホジキンリンパ腫や急性白血病、多発性骨髄腫等に対する治療を多く行っています。また、貧血や凝固異常等の良性血液疾患や固形腫瘍に対する治療も行っています。造血器悪性腫瘍に対しては、最新の薬物療法や分子標的療法を行い、適応のある症例には自家及び同種造血幹細胞移植を行っています。当院ではclass1000の無菌室を10床設置しており、高度な無菌治療(白血病に対する薬物療法や造血幹細胞移植など)が行える設備を整えています。


リウマチ・膠原病内科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 73 19.48 15.48 4.11 59.64
070470xx99x0xx 関節リウマチ 手術なし 手術・処置等2 なし 22 11.09 16.09 9.09 74.91
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2 なし 19 24.95 18.84 5.26 63.68
070560xx99x6xx 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2 6あり 13 18.31 25.15 15.38 61.31
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 定義副傷病 なし 13 11.46 12.58 15.38 77

リウマチ・膠原病内科の特に多い疾患は、全身性エリテマトーデスや全身性強皮症、リウマチ性多発筋痛、顕微鏡的多発血管炎、多発性筋炎などで、様々な自己免疫性疾患が対象となり、それらの治療を行っています。2番目に多いのは関節リウマチで、次いで皮膚筋炎性間質性肺炎や関節リウマチ性間質性肺炎、膠原病性間質性肺炎などの膠原病の症候として発現した間質性肺炎の順となっています。それ以外の疾患では、急性腎盂腎炎や尿路感染症も診療しています。DPCコードは治療法によって多岐に分かれるため、上記のリストでは、関節リウマチ件数が少ないように見受けられますが、実際には、原因不明の発熱や関節痛、皮疹、原因不明の炎症反応の上昇など検査値異常のある患者さんも自己免疫疾患除外を目的として、多くの関節リウマチ患者さんを総合的に診断・治療を行っています。


腎臓内科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 67 7.06 11.67 1.49 57.37
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 66 8.61 8.48 1.52 71.59
110280xx99010x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 44 11.89 14.23 0.00 71.70
110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 あり 定義副傷病 なし 41 5.61 7.00 0.00 46.56
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2 なし 27 28.19 20.93 11.11 58.93

1番目の主な病状は、IgA腎症でステロイドパルス療法を行っております。2番目は末期腎不全で血液透析療法を行うための内シャント造設術、シャントトラブルに対する再建手術の症例です。3番目は透析導入の症例です。4番目は慢性糸球体腎炎で確定診断と重症度の評価のために腎生検が行われます。5番目はネフローゼ症候群(尿の中にタンパクがたくさん出てしまうために血液中のタンパクが減り、むくみが出てくる疾患)の検査や薬の調整などを行っております。この他にも、急性腎不全に対する治療も行っています。急性腎不全は原因も様々で、尿が出来て排出されるまでの経路によって、腎前性、腎性、腎後性に分けられます。腎前性・腎性腎不全による電解質異常の症例が多くなっています。また、うっ血性心不全や急性腎不全などで救急入院となり緊急透析が施行され、透析導入となるため入院期間が長くなる傾向にあります。


脳神経内科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010160xx99x10x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2 あり 定義副傷病 なし 22 19.77 19.79 27.27 73.91
010060×2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 18 13.78 16.13 33.33 68.89
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 17 3.41 7.10 0.00 52.18
010170xx99x10x 基底核等の変性疾患 手術なし 手術・処置等2 あり 定義副傷病 なし 14 15.00 17.31 35.71 60.71
010060×2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 12 12.75 16.16 16.67 75.33

脳神経内科は、脳・脊髄・末梢神経・筋肉などの神経系臓器の障害により起こる疾患を治療する診療科です。診断群分類ではパーキンソン病がトップですが、脳梗塞は治療法によって多岐に診断群分類が分かれるため、実際は発症3日以内の脳梗塞の患者さんを最も多く診療しています。その次は、てんかんや基底核等の変性疾患(多系統萎縮症・小脳変性症など)の順で多く、他には頭痛・めまい・しびれなどの症状に対しても専門的立場から評価を行い、検査・治療を行います。
脳神経内科では24時間オンコール体制を整え、脳梗塞や脳出血といった脳血管障害、てんかんなどの発作性疾患、脳炎・髄膜炎といった神経系感染症などの様々な神経系救急疾患の受入れを行い、脳神経内科における東播磨圏域の中核施設として対応しています。


小児科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病 なし 336 4.87 6.19 0.89 1.02
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2 なし 313 4.22 5.39 0.32 3.58
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 279 6.39 6.17 0.72 0.00
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2 なし 259 4.79 5.73 0.77 2.28
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 210 4.90 6.64 1.43 2.94

小児科で最も多い病状は急性気管支炎や急性細気管支炎で、主な原因としてはRSウイルスによるもので、このRSウイルスは2歳までの乳幼児期にほぼ100%感染すると言われています。2番目に多い症例はウイルス性腸炎で、冬から春にかけてロタウイルスが流行、秋から冬にかけてノロウイルスが流行することから、この腸炎症状の原因の一つとなっています。3番目については妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上)で、周辺地域の新生児を多く受入れていることから上位に挙がっており、NICU(新生児特定集中治療室)の病床稼働率はほぼ満床状態で推移しています。4番目のインフルエンザとは、インフルエンザウイルスに感染して起こる感染症です。咳やのどの痛みなどの呼吸器の症状だけでなく、高熱、全身のだるさ(倦怠感)、食欲不振などの全身症状が強く、しばしば、頭痛や関節痛・筋肉痛など呼吸器以外の症状を伴います。5番目は喘息で、上位5つのうちの2つが呼吸器系疾患で占められています。


消化器外科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 193 4.39 4.85 0.52 67.66
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 109 14.28 15.02 1.83 71.81
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 96 5.42 6.37 0.00 59.45
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 79 7.19 7.13 5.06 66.37
060020xx02x00x 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 55 15.95 16.12 0.00 72.35

消化器外科では、鼠径ヘルニア手術治療の患者さんが最も多く、次いで多いのが大腸がんの腹腔鏡下手術治療、3番目は胆嚢結石症の腹腔鏡下手術治療、4番目は胆石性胆嚢炎の腹腔鏡下手術治療、5番目が胃がんの手術治療入院となっています。当院では、身体的負担が少ないとされる低侵襲手術のひとつ、鏡視下手術も積極的に行っており、低侵襲手術の更なる拡充を目指しています。令和元年度の手術件数は1,200件/年を超え、緊急手術も増加傾向にあり、当該区域における消化器系疾患の治療に貢献すべく努めています。また、高度進行癌症例に対しては術前治療として放射線治療や化学療法を行った後に、積極的に切除療法を行っています。一方、個別化治療として根治性は損なわずに機能温存や縮小手術を取り入れております。


呼吸器外科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2 なし 100 8.32 11.51 0.00 68.25
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 13 10.92 10.18 0.00 43.23
040200xx99x00x 気胸 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 9.11
040010xx01x0xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 縦隔悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 9.75
040010xx97x0xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 8.95

呼吸器外科において最も多いのは、肺の悪性腫瘍(肺腺がんや肺扁平上皮がん、肺大細胞がんなど)による治療です。次に多いのが気胸(自然気胸や続発性気胸など)治療となっています。呼吸器外科では、呼吸器内科を筆頭に、放射線科や病理診断科などの他診療科と連携して治療方針を定めています。また手術に関しても、なるべく患者さんへの負担が軽減されるよう、胸腔鏡を用いた低侵襲手術を推進しています。


乳腺外科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等2 なし 149 7.71 10.34 0.00 63.27
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 手術・処置等2 なし 93 5.13 6.10 0.00 60.74
090020xx97xxxx 乳房の良性腫瘍 手術あり 19 3.53 3.94 0.00 42.79
090010xx99x8xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 8あり 4.87
090010xx99x6xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 6あり 4.27

1番目の乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術等には、乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)・乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの)が多く、乳がんの進展度やサブタイプにより術前薬物療法後に手術となる症例も含まれます。2番目はいわゆる乳房温存術とセンチネルリンパ節生検を施行した症例です。3番目は乳管内乳頭腫、葉状腫瘍、線維腺腫、乳腺炎などの治療で乳腺腫瘍摘出術、乳管腺葉区域切除が行われた症例です。乳腺外科では内分泌療法、薬物療法、分子標的薬、放射線療法なども他診療科と連携して行っています。


心臓血管外科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2 なし 37 12.57 11.75 5.41 76.27
050080xx01010x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 18 21.06 23.77 0.00 68.06
050163xx02x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 手術・処置等2 なし 16 15.50 16.44 0.00 67.38
050163xx01x10x 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術等 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 10 26.30 28.02 30.00 71.20
14031xx002x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上) ファロー四徴症手術等 手術・処置等2 なし 26.27

1番目・3番目・4番目は腹部大動脈瘤や胸部大動脈瘤と呼ばれる太い血管にこぶができる病気で、2番目は僧帽弁や大動脈弁などの心臓の弁が正しく機能しなくなる病気です。これらの病気は進行の程度によっては手術による治療が必要となります。当院では心臓血管センターを立ち上げ、24時間365日の救急受入れ体制を整備しており、東播磨圏域での循環器疾患・血管疾患全般にわたる治療を率先しています。そして、心臓血管外科や循環器内科、形成外科などの複数診療科の密な連携によって当院内での治療完結を目指しています。加えて、5番目の疾患にもありますように小児心臓血管外科医や小児循環器内科医による、生まれつき心臓に異常がある先天性心疾患の治療も拡大化しており、成人だけではなく小児への幅広い年齢層での治療を行っています。


小児外科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 117 1.56 2.81 0.00 3.82
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 26 4.42 5.45 0.00 10.73
140590xx97xxxx 停留精巣 手術あり 25 2.00 3.13 0.00 3.08
060170xx02xxxx 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア等 16 1.63 8.05 0.00 3.94
060150xx99xx0x 虫垂炎 手術なし 定義副傷病 なし 12 6.25 6.94 0.00 11.00

小児外科で最も多いのは鼡径ヘルニアの治療です。鼡径ヘルニア手術は、腹腔鏡下で行うものを含め、年々増加しています。2番目と5番目が虫垂炎の治療、3番目が停留精巣となっています。4番目は腹壁ヘルニアおける治療となっています。これら上位に挙がった症例以外にも、食道・腸閉鎖症や鎖肛、気管切開や胃瘻等といった様々な小児の外科的治療を、小児科と連携しながら行っています。


整形外科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 146 21.36 25.94 69.86 80.81
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 110 24.75 21.53 23.64 66.78
160760xx97xxxx 前腕の骨折 手術あり 60 3.35 5.54 0.00 57.55
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 46 24.30 23.56 26.09 70.72
160700xx97xx0x 鎖骨・肩甲骨の骨折 手術あり 定義副傷病 なし 34 4.29 5.94 2.94 55.00

整形外科で最も多い症例は大腿骨頚部骨折や大腿骨転子部骨折で、その治療の多くは、骨折部を金属で接合するもしくは大腿骨の骨頭を人工骨頭に入れ替える手術療法となります。2番目は大腿骨頭壊死や股関節症により傷ついた股関節を人工関節に置き換え、スムーズな股関節の動きを取り戻すことを目的とした人工股関節置換術です。3番目は前腕骨骨折(橈骨骨折、尺骨骨折)、4番目は膝関節症、5番目は鎖骨や肩甲骨の骨折が主な病状となっています。前年度と比較して、1番目と2番目が入れ替わっている以外は同順位です。なお、整形外科では、関節センターを設立し、関節疾患の専門的治療を進めるとともに、骨折や脱臼といった外傷疾患やスポーツ障害、骨粗鬆症など、幅広く整形外科疾患を受入れています。


形成外科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 106 5.20 2.78 0.00 66.03
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1 なし 102 3.23 4.67 0.00 46.99
180060xx97xxxx その他の新生物 手術あり 67 3.63 6.39 0.00 22.12
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2 なし 55 2.75 3.10 0.00 72.75
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 32 4.47 5.26 0.00 34.13

形成外科で最も多い病状は下肢静脈瘤、2番目が骨軟部の良性腫瘍で、3番目は皮膚腫瘍が主な症例となっています。4番目は眼瞼下垂症、5番目は眼窩や眼窩底、鼻骨など顔面部の骨折です。このほかにも周産期・小児医療領域における「唇裂・顎裂・口蓋裂」をはじめとする顔面や体表の先天異常の治療(内反症、合指症、多指症など)、瘢痕やケロイド、母斑、難治性潰瘍、リンパ浮腫、乳房再建など、多岐にわたる疾患の治療を行っています。形成外科は創傷(傷・傷跡)を扱う専門であるため、常に傷跡がきれいになるよう努めています。


眼科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 705 2.84 2.78 0.00 75.46
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 119 2.79 5.09 0.00 75.58
020220xx97xxx0 緑内障 手術あり 片眼 91 7.10 7.53 0.00 70.57
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 71 9.01 9.33 0.00 56.82
020150xx97xxxx 斜視(外傷性・癒着性を除く。) 手術あり 43 3.00 3.17 0.00 11.81

眼科で最も多い症例(1番目及び2番目)は白内障です。なお、白内障の治療実績は1,600件/年を超えており、東播磨圏域の基幹病院としての役割を担うべく診療体制を整えています。3番目は緑内障で、主な治療は線維柱帯切除術(Lectomy)や線維柱帯切開術(Lotomy)と呼ばれる眼圧下降手術を行います。4番目は網膜剥離で、硝子体手術による治療が主となります。5番目は斜視で、主に手術療法を行っています。


耳鼻咽喉科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 102 4.83 6.80 0.00 55.79
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 101 8.25 7.80 0.00 21.60
030428xxxxxxxx 突発性難聴 79 5.46 8.93 0.00 57.75
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 58 4.31 5.45 0.00 39.29
030430xx97xxxx 滲出性中耳炎、耳管炎、耳管閉塞 手術あり 41 2.05 3.16 0.00 4.95

1番目は副鼻腔炎で、内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS)と呼ばれる鼻の穴に内視鏡を挿入して行う手術療法などを行っています。2番目は扁桃肥大やアデノイド肥大、扁桃炎といったのどの疾患が占めています。3番目はDPC名称のとおり、突発性難聴となっています。4番目は急性咽喉頭感染症の治療で、手術を行わなかった場合の症例です。5番目は、前年度は6位以下であった「滲出性中耳炎、耳管炎、耳管閉塞」です。難治性の滲出性中耳炎では、鼓膜切開術で廃液しても鼓膜は通常自然に閉鎖してしまうので、中耳炎が再発してしまいます 。このような場合、長期間にわたって中耳炎の浸出液を除去し中耳の換気を正常化する鼓膜チューブ挿入術を行っています。また、成人の耳鼻咽喉科疾患だけではなく小児も数多く治療しており、幅広い年齢層の患者さんを受け入れています。


産婦人科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 144 8.26 9.66 0.00 32.45
120170xx01x0xx 早産、切迫早産 子宮破裂手術等 手術・処置等2 なし 62 30.48 29.08 0.00 31.45
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 手術・処置等2 なし 53 40.64 19.06 3.77 30.72
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 53 9.66 9.71 0.00 46.77
120260xx01xxxx 分娩の異常 子宮破裂手術等 50 8.34 9.53 0.00 34.06

産婦人科で最も多いのは、双胎中心の多胎妊娠、羊水過多症、胎盤障害などによる帝王切開の症例です。2番目、5番目は早産・切迫早産における治療ですが手術の有無などによってDPCコードが異なるため2つに分かれています。3番目は遷延分娩や分娩停止などの症例に対する治療です。4番目は主に子宮筋腫の症例となっています。前年度の症例と比較して、1番目から4番目まで順位に変化はありません。また、自然分娩はDPCの集計対象から外れますので、上記リストには含まれていません。なお当院は、地域周産期母子医療センターであり、24時間365日の救急診療体制を整えていることから、ハイリスク妊娠や分娩、産後出血症例などを率先して受け入れています。


泌尿器科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 149 7.17 7.07 0.00 72.64
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 定義副傷病 なし 148 2.03 2.49 0.00 72.12
11012xxx040x0x 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 84 2.00 2.64 0.00 59.54
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 68 5.87 5.61 1.47 63.40
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 45 7.60 8.52 0.00 72.16

泌尿器科では悪性腫瘍に力を入れており、1、2番目の前立腺がん、膀胱がん以外にも腎、腎盂・尿管などの悪性腫瘍の治療を行っています。最も多い症例は前立腺がんの針生検による診断です。当院ではハイリスク前立腺がんに対し、放射線診断・IVR科、放射線治療科と共同して治療を行っており、手術療法においては手術支援ロボット ダ・ヴィンチ(da Vinci Surgical System)を使用した低侵襲手術(ロボット支援下前立腺全摘除術)を積極的に行っています。2番目は膀胱がんで、専用内視鏡を用いて腫瘍を切除する経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)と呼ばれる治療を行っています。3、4番目は腎・尿管結石症で、体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)や経尿道的尿路結石砕石術(TUL)などによる治療を行っています。5番目は前立腺肥大症で、薬物療法や経尿道的ホルミニウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)などによる治療を行っています。


脳神経外科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010070xx9910xx 脳血管障害 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 23 3.13 3.14 0.00 71.04
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 17 3.00 3.01 0.00 70.65
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 15 10.87 9.67 20.00 81.33
010070xx02x0xx 脳血管障害 経皮的頸動脈ステント留置術 手術・処置等2 なし 9.44
010030xx03x00x 未破裂脳動脈瘤 脳血管内手術 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 9.24

脳神経外科で最も多く対応した症例は、脳血管障害と呼ばれる脳の血管に何らかの不調が起こった疾患となります。脳出血や脳梗塞と呼ばれるもので、血管内への治療を専門する医師により適切な治療が行われます。また外傷等により硬膜とくも膜の間に血腫ができたことによって脳が圧迫されてしまう外傷性慢性硬膜下血腫という疾患も多くあります。この場合、頭蓋骨に小さな穴をあけ、頭蓋内の血腫の除去や過剰な液体の排出を行うことにより脳の圧迫を解除する治療を行います。その他にも内頚動脈塞栓症や脳動脈瘤に対する血管内カテーテル治療や、脳出血に対する開頭手術および保存的療法を行っております。2019年8月より医師を増員し、診療体制の拡充を図るとともに、必要に応じて循環器内科や脳神経内科との連携を行い、心不全などの原疾患や神経障害への対応など総合的な治療を行っています。


放射線診断・IVR科、放射線治療科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060050xx97x00x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 45 4.22 10.25 0.00 73.38
060050xx0300xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 19 3.00 8.03 0.00 71.74
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2 なし 14 2.71 11.51 0.00 75.64
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 11 2.00 6.48 0.00 52.00
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 10 2.00 3.34 0.00 71.90

放射線診断・IVR科で最も多い症例は肝細胞がんや肝がんで、肝動脈化学塞栓療法(TACE)や肝動注薬物療法(TAI)、経皮的ラジオ波焼灼術(RFA)などが主な治療法となっています。1番目、2番目と肝臓のがん治療が占めています。3番目、5番目は肺がんとなっており、4番目は乳がんに対する薬物療法のための動脈内注入ポート留置術の症例で、乳腺外科の開設に伴い症例が増えています。これらの症例以外にも、他診療科と連携して、緊急止血術や中心静脈ポート(CVポート)留置術を行っています。
放射線治療科としては、画像誘導放射線治療(IGRT)、定位放射線治療/定位手術的照射(SRT/SRS)、肺がんや肝がん等に対する呼吸同期放射線治療、前立腺がん等に対する強度変調放射線治療(IMRT)といった様々な治療法を導入し、放射線領域における診療機能の拡充を図っています。


救急科


 

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 定義副傷病 なし 18 12.33 19.40 72.22 74.44
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 定義副傷病 なし 15 13.07 12.58 26.67 83.53
180010x0xxx2xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 2あり 33.26
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 3.52
160400xx99x00x 胸郭・横隔膜損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 8.73

救急科は、主に救急車で搬送された救急傷病者の初療を担っています。疾患内訳の1番目は胸椎や腰椎部の圧迫骨折もしくは椎体骨折で、2番目が尿路感染症です。3番目は敗血症で、ほかには薬物中毒や外傷による胸部・骨盤の損傷などが多い症例です。また、蘇生後・熱中症なども当診療科で入院診療を行っています。救急搬送後早期に治療方針を定め、必要時に他診療科専門医と連携して最善の治療にあたるとともに、高度な救命救急医療・集中治療を提供し、ひとりでも多くの重症救急患者さんの救命を目指します。ドクターカー等にて医師と共に患者さんのもとへ向かう救護体制も整備しています。これら救急医療や集中医療はもちろんのこと、加古川市指定災害対応病院として、いざという時の地震や異常気象等における災害医療、それらを想定した総合訓練なども担っています。なお、令和元年度の救急車受入件数は7,579件/年となっており、東播磨圏域の救急医療に貢献するべく診療に努めています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード

 

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 124 16 25 77 13 13 1 8,7
大腸癌 46 62 78 79 23 31 1 8,7
乳癌 113 100 28 12 1 8,7
肺癌 85 11 69 156 29 212 1 8,7
肝癌 13 18 18 12 57 1 8,7

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

当院における5大がんの初発・再発患者数を表しており、病期分類基準は「UICC TNM分類」で集計しています。この「UICC TNM分類」とは、国際対がん連合(UICC)によって定められた、がんの進行度を判定するための基準となる分類方法のことです。
胃がんは StageⅠでの発見が最も多く、胃がん全件数の48%を占めています。StageⅠの治療は、比較的侵襲性の低い内視鏡治療が主流です。次に多い Stage IV では、胃切除などの手術(外科治療)のあとに、薬物療法(薬物療法)、対症療法を行います。
大腸がんは、Stage II ~ Stage IV が80%を超えており、その多くは手術治療が選択されます。手術後は、再発予防などのために薬物療法や放射線治療を行うこととなります。
乳がんは、早期に発見されることがほとんどで、StageⅠ及び Stage II が全件数の84%を占めており、治療としては、乳房部分切除や乳房切除術の後に放射線治療を行います。また、再発予防のための薬物療法を行うことがあります。
肺がんは、StageⅣが最も多く、主に薬物療法による治療となります。StageⅠや Stage II では手術治療が選択されます。
肝がんは、胃や腸などの他臓器からの転移である「転移性肝がん」、肝臓から発生する「原発性肝がん」の2つに分類されます。一般的な治療方針としては Stage I ~ Stage III は手術の適応となり、Stage IV は薬物療法が適応されます。
当院は、令和元年4月に地域がん診療連携拠点病院の指定を受けました。診断から治療・緩和ケアまで一貫した質の高いがん医療を提供することを目的とした、がん集学的治療センターを中心として、外科的治療、放射線治療、薬物療法の3つを組み合わせて、様々な診療科の医師や看護師、薬剤師などが連携して治療方針を決定するチーム医療体制の整備、そして、がん患者さんやその家族に対する支援として「がん相談支援室」の設置や「がんサロン」を開催するなど、がん治療に向けた活動を行っています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード

 

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 31 7.94 55.00
中等症 118 12.47 77.31
重症 28 14.64 78.82
超重症
不明

成人市中肺炎とは、病院などの医療施設と接触する機会がほぼ無く、ふつうに社会生活を送っている成人(20歳以上)に発症する肺炎のことです。肺炎とは、病原微生物(細菌やウイルス)が感染して、肺に炎症が起きる病気で、肺炎の原因となる病原微生物の多くは肺炎球菌やインフルエンザ菌、肺炎マイコプラズマです。
当院での成人市中肺炎における治療患者さんは、前年度と同様、中等症による入院治療が最も多く、全体の割合の63.8%(前年度は67.7%)を占めています。入院での治療は、抗菌薬や抗ウイルス薬などによる薬物治療が一般的で、重症化しないように脱水等の全身状態の管理を行います。
割合としては少ないですが、超重症と診断された場合は、ICU管理による集中治療となることがあります。
軽症の場合は、外来通院による抗菌薬投与の治療がほとんどですが、高齢者や他の病気を患っている人は、軽症であっても、重症化するリスクが高いこともあり、入院治療を行う場合もあります。
当院では、肺炎の予防のために、うがいや手洗い、マスクの着用による感染予防、禁煙、十分な食事や適度な運動による免疫力の向上、また、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチン等の予防接種を受けるといった対策を勧めています。

脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード

 

 

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 93 18.84 76.02 43.56
その他

脳梗塞は、脳の血管が詰まり、血液の流れが止まって、脳細胞が死んでしまう病気です。死んでしまった脳細胞の場所や範囲によって、麻痺や言語障害などの様々な後遺症が残ります。そのため、脳梗塞における急性期治療は、血液の固まりを溶かす薬を投与するなど、一刻も早く、脳の血液の流れを改善することがとても重要とされています。
当院では、脳梗塞を発症してから3日以内に治療を行った患者割合が90%を超え、前年度は80%台であり毎年増加しています。うち転院率は43.6%で、前年度の30%に対し増加傾向です。急性期の治療が一段落した後、集中的なリハビリテーション治療が必要と判断した場合、当院では、リハビリテーションを目的とした転院を勧めています。脳梗塞の急性期治療が終わってからは、1日でも早くリハビリテーションに専念することが、社会復帰、在宅復帰の鍵となるためです。
脳神経内科は令和元年は医師は3名、令和2年4月から医師を1名増員し、脳神経外科と連携して更なる積極的な脳神経疾患の受け入れ、急性期治療を行っています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

 

 

消化器内科


 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 131 0.44 1.61 0.76 66.11
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 108 2.19 11.31 6.48 73.24
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 105 1.68 7.57 5.71 75.35
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術 79 1.23 7.08 1.27 74.23
K654 内視鏡的消化管止血術 77 0.83 8.53 12.99 72.96

最も施行数の多かった1番目の手術は、大腸や直腸にできたポリープ(いぼ状の隆起性病変)を切除する内視鏡的粘膜切除術(EMR)です。切除した病変に対して病理検査を行い、良性か悪性かを診断します。診断結果によっては、次の治療が必要になることがあります。
2番目の内視鏡的胆道ステント留置術は、狭窄もしくは閉塞した胆道にステント(筒状の体内人工物)を留置し、再び胆道を広げて胆汁が正常に流れるようにする手術です。
3番目は、主に胆管結石の患者さんに行う手術で、内視鏡的乳頭切開術とは、口から十二指腸まで内視鏡を挿入し、電気メスを用いて乳頭部(胆管・膵管の出口)を切開して、総胆管にできた石(総胆管結石)を除去する治療です。
4番目は、胃や十二指腸にできたポリープを取り除く手術です。病変の形や大きさによって、内視鏡的粘膜切除術(EMR)を選択するか、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を選択するかを取り決めます。
5番目は、主に急性出血性の胃潰瘍や十二指腸潰瘍を治療するための止血手術です。
消化器内科は、内視鏡による治療が主流のため、主要な手術はすべて、内視鏡を用いた治療方法です。順位の上下はあるものの、上位1~5番までの手術は前年度と同じとなっています。


循環器内科


 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 239 1.29 2.44 0.00 63.80
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 170 1.51 3.40 8.24 74.31
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 163 1.86 2.60 3.07 69.14
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの 102 0.10 10.23 7.84 68.7
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 81 4.41 8.43 2.47 77.36

経皮的カテーテル心筋焼灼術が最も多く、不整脈のひとつである心房細動と診断された患者さんに対して行われます。不整脈を引き起こす原因となる心臓内の異常な電気信号を出す箇所を高周波電流で焼き切り、正常な心拍リズムに戻す手術で、カテーテルと呼ばれる直径2mmほどの非常に細い管を、足の付け根(もしくは手首やひじなど)の動脈から挿入して治療するため、侵襲性が低く、患者さんの体への負担が少ないのが利点です。
2番目もカテーテル治療のひとつで、下肢閉塞性動脈硬化症の患者さんに対する治療法です。下肢閉塞性動脈硬化症とは、足の血管の動脈硬化によって、血流が悪くなる病気です。病態によって様々な治療法があり、血流を妨げている箇所に対して、ステントと呼ばれる金属製の網状円筒を留置したり(ステント留置)、血管内を風船のようなもので広げたり(バルーン治療)、血栓を吸い取る(血栓吸引治療)といった治療を行います。
3番目は、狭心症や心筋虚血と診断された患者さんに対して、冠動脈の狭くなった箇所にステントを留置して広げることで血流を改善するカテーテル治療です。
4番目は、3番目と同じカテーテル治療で、不安定狭心症と診断された患者さんに対する治療法です。
先述したカテーテル治療で根治、もしくは、改善が望めない場合、心臓血管外科などの他診療科と連携して、バイパス術などの外科的治療に移行するなど、患者さんへの最善な治療方針を立てるための体制を整備しています。
5番目は、デバイス治療のひとつで、主には完全房室ブロックと呼ばれる病気で、心房から心室への電気信号が完全に途絶えてしまっている状態を治します。電気信号が途絶えているため、その電気信号を代わりに流す橋渡しとして、ペースメーカーを植え込む手術です。


腫瘍血液内科


 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置 頭頸部その他に設置した場合 24 5.21 18.83 0.00 55.54
K745 肛門周囲膿瘍切開術
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術 単純切除
K6112 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢)

抗がん剤を中心静脈から投与するために、CVポート(皮下埋め込み型ポート)を造設する手術を行っています。CVポートの増設と同じく、その他の様々な手術に関しても、放射線科などの他診療科と連携して手術を行っています。


リウマチ膠原病内科


 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 11 13.18 29.45 0.00 69.36
K654 内視鏡的消化管止血術
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径3センチメートル以上6センチメートル未満
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術III型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)

消化器内科と連携して入院中に内視鏡的大腸ポリープ切除を行った症例が11件ありました。


腎臓内科


 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 91 5.07 7.27 5.49 71.05
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 51 0.14 2.57 0.00 73.49
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満
K654 内視鏡的消化管止血術

1番目は、血液透析療法を行うためのシャントを造設する手術です。シャント(内シャント)とは、手首などの動脈と静脈を直接つなぎ合わせた血管のことを指します。なお、血液透析療法とは、血液を透析機に通して、血液中の老廃物などを取り除いて、血液を浄化する治療です。毎分200ccほどの血液を浄化する必要があることから、血液を取り出しやすいシャントを用いて、血液透析療法を行います。
2番目は、先述したシャントが狭くなったり(狭窄)、閉じてしまったり(閉塞)といったシャントトラブルに対するシャント再建術です。


脳神経内科


 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) 11 11.55 10.18 36.36 72.09
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満
K654 内視鏡的消化管止血術
K6082 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術

筋萎縮性側索硬化症やパーキンソン病などの神経変性疾患による摂食嚥下障害の患者さんに対し、胃瘻造設術を行っています。


小児科


 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術 仮死第1度のもの 32 0.03 52.88 0.00 0.00
K7151 腸重積症整復術 非観血的なもの 23 0.17 3.78 0.00 1.65
K9132 新生児仮死蘇生術 仮死第2度のもの 17 0.00 39.12 5.88 0.00
K386 気管切開術
K1742 水頭症手術 シャント手術

上位1番及び3番を占めるのは、主に新生児一過性多呼吸による新生児仮死蘇生術です。新生児一過性多呼吸とは、肺液の吸収遅延などが原因で生じる呼吸障害のことで、特に帝王切開での出生児に発現されます。出生時に呼吸や心拍が弱くて新生児仮死と診断された場合に、新生児に対して保温や呼吸の確保といった蘇生術を行います。
2番目は、腸重積症と診断された患児に対する治療で、腸重積症とは小腸が大腸の中に入り込む病気のことです。高圧浣腸を用いて腸を正常に戻します。


消化器外科


 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 183 1.26 4.32 3.28 62.75
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 100 1.05 2.16 0.00 64.78
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 94 2.35 10.84 2.13 70.99
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 93 1.10 2.49 1.08 70.26
K7193 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術 49 3.51 14.53 12.24 72.39

最も多く施行された手術は、前年度と同様、腹腔鏡下胆嚢摘出術です。名前のとおり、腹腔鏡を用いて胆のうを摘出する手術です。腹腔鏡手術とは、おなかに穴を空けて、そこに細長い内視鏡器具を挿入して行う手術で、従来のおなかを切る開腹手術に比べて、傷口が小さく、回復も早いことから、患者さんの体への負担が少ない低侵襲手術のひとつとされています。
2番目と4番目はどちらも鼠径ヘルニア(脱腸)の治療による手術で、2番目は腹腔鏡による手術、4番目は開腹による手術で、前年度は腹腔鏡を用いたものよりも開腹による手術の適応が多かったのですが、令和元年度は腹腔鏡の適応が開腹手術を上回っていました。開腹にするか腹腔鏡にするかは、患者さんの病態などによって変わってきます。
3番目と5番目はどちらも主に結腸がんの患者さんに対して行われる手術で、3番目は腹腔鏡、5番目は開腹で行われています。


呼吸器外科


 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 63 1.89 5.27 0.00 67.89
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 35 2.14 5.40 0.00 68.80
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの) 13 6.31 3.62 0.00 43.23
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 区域切除
K513-2 胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手術

1、2番目は肺がん治療の手術で、切除部位によってコードが細分化されています。胸腔鏡手術は腹腔鏡手術と同じく、胸に小さな穴を空けて行う手術で、身体的負担が少ないという利点があります。
3番目は気胸を治療するための手術です。気胸とは、肺に穴が空いてしまい、そこから空気が漏れ、胸腔内の圧力に押されて肺がしぼんでしまう病気です。


乳腺外科


 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 100 1.28 5.04 0.00 63.42
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 95 1.11 3.08 0.00 60.8
K4765 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの 44 1.41 6.27 0.00 63.05
K474-2 乳管腺葉区域切除術 10 1.00 1.60 0.00 55.10
K4741 乳腺腫瘍摘出術 長径5センチメートル未満

1~3番目はすべて乳がんの治療における手術です。乳がんの治療は、外科的治療(手術)や放射線治療、薬物治療がありますが、手術によってがんの部分を切除することが基本となります。がんが発現した場所や大きさなどによって、切除する範囲や箇所が変わってくることもあり、上記のようにコードが細分化されています。
4番目は、乳頭腫などの乳管内病変を切除する手術です。乳管内癌との鑑別困難な場合にも行われます。


心臓血管外科


 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5612ロ ステントグラフト内挿術 1以外の場合 腹部大動脈 34 2.85 7.76 2.94 76.74
K5606 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの) 24 2.21 17.33 4.17 69.58
K5602 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 弓部大動脈 13 1.77 21.08 30.77 69.62
K5761 心室中隔欠損閉鎖術 単独のもの 13 1.69 7.77 0.00 1.00
K5612イ ステントグラフト内挿術 1以外の場合 胸部大動脈 10 2.20 11.30 10.00 67.50

1番目と5番目はどちらも大動脈瘤に対する手術で、大動脈にできた瘤(こぶ)の破裂を防ぐために、ステントを組み込んだ人工血管を大動脈瘤部分に留置し、血管の補強、大動脈瘤に血液が流れないようにします。1番目と5番目で異なるのは瘤ができた血管の場所で、前者は腹部大動脈、後者は胸部大動脈です。
2番目は、腹部の大動脈瘤や腹部大動脈におよぶ急性大動脈解離の患者さんに対する手術で、腹部大動脈を人工血管に置き換える開胸手術です。3番目も2番目と同じ治療法になりますが、患部の場所が異なり、腹部ではなく胸部大動脈瘤に対する治療となっています。
4番目は、心室中隔欠損と呼ばれる先天性心疾患を治療する手術です。心室中隔欠損とは、心臓の左室(全身に血液を送りだす)と右室(肺に血液を送りだす)のあいだの壁(心室中隔)に穴が空いている病気です。その穴を塞ぐ手術が、心室中隔欠損閉鎖術です。
6番目は、心臓弁膜症を治療する手術です。心臓弁膜症とは、心臓の弁が開いたり、閉じたりする機能が障害されて、心臓の機能が低下する病気です。手術では、心臓弁膜症にかかっている弁を切除して、人工弁を挿入します。


小児外科


 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 74 0.03 0.26 0.00 2.97
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 43 0.02 1.00 0.00 5.28
K836 停留精巣固定術 27 0.19 1.19 0.00 3.63
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 25 0.72 2.80 0.00 10.64
K6333 ヘルニア手術 臍ヘルニア 13 0.00 0.08 0.00 4.00

1、2番目は鼠径ヘルニアの治療のための手術です。鼡径ヘルニアとは脱腸のことで、こどもの病気のなかでは非常に多く、50人に1人は起こると言われています。
3番目は、停留精巣と呼ばれる出生時に精巣が正しい位置にとどまっていない病気で、その精巣を正しい位置に整復する手術です。
4番目は、急性虫垂炎治療のための手術、いわゆる盲腸の手術です。
5番目は、臍ヘルニアを治療するための手術です。臍ヘルニアとはいわゆる「でべそ」のことで、生後間もない頃、臍(へそ)の緒が取れ、臍の根本が十分に閉じられていないときに、泣いたりすることでお腹に力がかかって、腸管などがその部分に押し出されて膨れてくる状態です。
先述した1番目から5番目まではすべて前年度と同順位です。


整形外科


 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 162 1.14 22.54 25.31 67.96
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 104 2.66 14.53 62.50 77.89
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 66 4.08 17.23 60.61 81.02
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 55 2.13 3.76 10.91 61.47
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿 42 1.00 1.02 0.00 52.31

整形外科で最も多く施行した手術は、人工関節置換術で、股や膝の悪くなった骨の部分を取り除き、人工の関節に置き換える手術です。当院では、おもに膝関節と股関節の治療を行っており、そのなかで最も多いのは股関節の治療です。
2番目と4番目は骨折を治す手術で、骨折観血的手術とは、ギプス固定や副子固定などで治すのが難しい開放性骨折や関節周辺の骨折、神経や動脈損傷が疑われる骨折などに対して行われます。骨折が生じた箇所によってコードが細分化されています。
3番目は、主に大腿骨頚部骨折の患者さんに対する手術で、折れた大腿骨の骨頭を取り出し、人工骨頭という金属製の人工物に入れ替える手術を行います。
5番目は、骨折治療のために直接骨を固定していたネジやクギ、チタンプレートといった骨固定材料を除去・摘出する手術です。


形成外科


 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 71 0.39 3.80 0.00 65.13
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2センチメートル以上4センチメートル未満 55 0.51 1.13 0.00 32.75
K2193 眼瞼下垂症手術 その他のもの 35 0.00 1.51 0.00 73.40
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径3センチメートル以上6センチメートル未満 33 0.45 1.00 0.00 33.18
K0053 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径4センチメートル以上 28 0.64 2.18 0.00 36.75

1番目は、下肢静脈瘤と診断された患者さんに対する手術で、下肢静脈瘤とは、下肢の静脈が太く膨らんで、皮膚表面に張り出してくる病態です。この膨らんだ静脈をレーザー光で焼いて閉塞させる治療法が下肢静脈瘤血管内焼灼術です。
2,4,5番目は、ほくろやいぼ、あざ、粉瘤(アテローマ)といった全身にわたる様々な皮膚・皮下腫瘍を取り除く手術です。


眼科


 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 815 0.77 1.04 0.00 75.63
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 167 0.62 4.54 0.00 64.34
K2683 緑内障手術 濾過手術 39 0.90 9.49 0.00 72.21
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術 その他のもの 37 0.46 3.70 0.00 71.95
K2682 緑内障手術 流出路再建術 26 0.77 2.12 0.00 69.19

1番目は白内障を治療するための手術で、水晶体再建術とは、眼球内の濁った水晶体を取り除いて、その代わりに人工の水晶体(眼内レンズ)を挿入する手術です。
2、4番目は網膜剥離や網膜前膜などの治療のための手術です。網膜剥離とは、眼球の内側にある網膜が剥がれて視力が低下する病気です。網膜前膜とは、網膜の中心部(黄斑部)に薄い膜がかかり、その膜が縮んで網膜にシワができることで視力の低下やかすみ・ゆがみなど様々な症状が出てくる病気です。この硝子体茎顕微鏡下離断術は、眼球内にある硝子体や病的な組織、血液などを取り除き、症状を改善する手術です。
3,5番目は緑内障を治療するための手術です。緑内障は、眼球内を循環する房水の流れが悪くなり、眼圧が高くなって視神経に傷害を及ぼす病気です。濾過手術と流出路術はどちらも眼圧を下げるための手術です。


耳鼻咽喉科


 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 95 1.00 6.73 0.00 23.91
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術III型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 63 1.00 2.76 0.00 56.71
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 43 0.09 1.05 0.00 4.98
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術IV型(汎副鼻腔手術) 36 1.00 3.03 0.00 57.08
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 26 0.42 3.12 0.00 35.42

耳鼻咽喉科において最も多く施行した手術は、扁桃炎や扁桃肥大等を治療するために、口腔内から超音波メス等を用いて口蓋扁桃を摘出する手術です。
2、4番目は副鼻腔炎(慢性副鼻腔炎や汎副鼻腔炎)を治療するための手術で、鼻の穴から細い内視鏡を入れ、副鼻腔と鼻腔の通路を広げて空気の通り道を作ったり、炎症によって腫れた粘膜(鼻茸)を切除する治療を行います。
3番目は慢性滲出性中耳炎の治療として、鼓膜を切開した後、その切開部の穴にチューブを挿入して排液や換気を促す手術です。
耳鼻咽喉科は、成人だけではなく小児の症例も多く受け入れていることから、平均年齢は若干低い傾向にあります。


産婦人科


 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術 選択帝王切開 182 6.66 6.04 0.00 32.50
K8981 帝王切開術 緊急帝王切開 125 8.19 6.13 0.00 33.03
K877 子宮全摘術 58 1.14 7.50 0.00 47.78
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの 50 0.96 4.24 0.00 40.38
K8881 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 開腹によるもの 34 1.00 6.88 0.00 46.21

当院は地域周産期母子医療センターとして、東播磨圏域におけるハイリスクを伴う出産を受け入れていることもあり、帝王切開術が上位を占めています。帝王切開は、母体または胎児の生命の危険性があると判断した場合に適応となります。
3番目は、子宮筋腫や子宮腺筋症と診断された患者さんで、日常生活に支障が出るなど重症化した場合に適応となる手術です。
4番目と5番目は、主に卵巣腫瘍や卵巣のう腫と診断された患者さんに適応となる手術で、可能であれば低侵襲の腹腔鏡手術を選択しますが、病変部が広範囲であったり、腹腔内臓器の癒着が激しいといった場合は開腹手術を選択、移行する場合があります。


泌尿器科


 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 149 1.07 5.14 0.00 72.85
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 83 0.05 1.01 0.00 60.19
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 65 1.40 3.22 1.54 62.98
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 51 1.14 6.10 5.88 73.65
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除術 ホルミウムレーザーを用いるもの 39 1.44 5.26 0.00 72.03

1番目は、膀胱がんと診断された患者さんに対する手術です。経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)と呼ばれ、内視鏡を尿道から膀胱内に挿入し、膀胱腫瘍を切除する手術です。開腹しないため、痛みが少なく、入院期間も短いのが利点です。
2、3番目は、手術の方法はそれぞれ異なりますが、ともに尿管結石の治療のための手術です。前者は体外衝撃波腎尿管結石破砕術(ESWL)と呼ばれ、衝撃波発生装置を用いて、体の外から衝撃波を当てて結石を細かく破砕し、自然排出させる手術です。後者は経尿道的尿路結石除去術(TUL)と呼ばれ、内視鏡を尿道から膀胱、そして、尿管内まで挿入し、そこにある結石を破砕する手術です。腎臓に結石がある場合は、内視鏡を腎臓内まで進めて、結石を破砕します。
4番目は、水腎症の治療や、3番目の経尿道的尿路結石除去術(TUL)を行ったあとに尿の通過障害などが起きないよう、尿の排出を促すためにステントを留置する処置です。
5番目は、前立腺肥大症の治療手術で、経尿道的ホルミニウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)と呼ばれ、内視鏡を用いて肥大した前立腺腺腫をレーザーで切除する手術です。
このほか、泌尿器科では、手術支援ロボット ダ・ヴィンチを用いた前立腺がんの治療も行っています。


脳神経外科


 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 20 0.45 9.45 25.00 79.8
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 12 3.17 11.33 16.67 72.17
K1781 脳血管内手術 1箇所 10 2.00 3.60 0.00 72.30
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの
K1742 水頭症手術 シャント手術

1番目は、主に外傷性慢性硬膜下血腫を治療するための手術です。外傷性慢性硬膜下血腫とは、交通事故や転倒・転落などで軽微な頭部外傷をきっかけとして、硬膜下にゆっくりと(通常は1~2ヶ月かけて)血腫が溜まってくる病態のことです。慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術は、頭蓋骨に1~2cmほどの小さな穴を空けて、その穴にチューブを挿入し、貯留した血腫を排出する手術です。
2番目は、内頚動脈狭窄症と診断された患者さんに対する手術で、内頚動脈狭窄症とは、動脈硬化などによって、頸動脈(首にある血管)の血管内に血栓や粥腫(プラーク)などができて、血管が狭くなる病気です。経皮的頸動脈ステント留置術とは、足の付けの血管(大腿動脈)からカテーテルを挿入して、その頸動脈の狭くなった血管にステントを留置して血管を広げる手術です。
3番目は、脳内の血管にできた瘤や奇形に対してカテーテル治療を行う手術です。


放射線診断・IVR科、放射線治療科


 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) 選択的動脈化学塞栓術 43 1.00 2.28 0.00 73.12
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置 頭頸部その他に設置した場合 24 0.04 1.04 0.00 56.92
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) その他のもの 16 1.31 2.94 0.00 70.25
K697-31ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として) 2センチメートル以内のもの その他のもの 10 0.00 2.00 0.00 70.10
K007-2 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 10 0.80 1.00 0.00 80.60

1、3番目は、血管に塞栓物質を注入して血流を止めるための手術です。例えば、消化管や腫瘍からの出血など、圧迫止血等が困難な、体内で生じた出血を止める治療です。交通事故などで損傷した血管を塞いで止血したりする治療も血管塞栓術です。それ以外には、1番目のような主に肝細胞がんに対する治療として、がん部に血液を送らないよう肝動脈を塞ぐ薬を注入することで、血液から栄養を得ているがん部を死滅させるといった治療も血管塞栓術のひとつです。
2番目は、CVポート(薬剤を投与するための100円硬貨ほどの大きさのシリコン状の医療器具)を皮下に埋め込む手術です。CVポートは中心静脈と繋がっているため、ポートに抗がん剤や高カロリー輸液などを投与することで、確実に中心静脈内に流れるといった利点があります。CVポートが適用となるのは、抗がん剤の投与回数が多い、投与時間が長い、末梢血管からの投与が好ましくない薬剤を投与するといった場合になります。
4番目は、1番目と同じく、肝細胞がんに対する治療法で、肝臓の腫瘍に直接電極針を穿刺し、その針の先端から発せられるラジオ波(電磁波)の熱で腫瘍を焼いて、壊死させる手術です。
5番目は、癌の放射線治療の目的位置を特定するための金属を体内に入れる手術です。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード

 

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる 10 0.05
180010 敗血症 同一 48 0.25
異なる 39 0.21
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 115 0.61
異なる 12 0.06

播種性血管内凝固症候群(以下DIC)とは、全身の血管のいたるところに血液の固まりが生じる病気で、血液を固める因子が大量消費されることから、非常に出血しやすくなります。入院時にDICを発症していた事例はほぼ無く、異なる病気での入院加療中に容態が悪化し、DICを発症したという事例が大半です。当院では、全ての退院患者さんのうちの 0.06% がDICを発症しており、前年度の発生率と変化はありません。 敗血症は、細菌などの病原微生物が血液に蔓延して全身に炎症が生じる病気で、この炎症によって多くの臓器に障害が生じます。当院の敗血症の症例数・発生率ともに、前年度と大きく変わらず、横ばいで推移しています。 その他の真菌感染症とは、真菌(アスペルギルスやカンジダ、クリプトコックス、白癬など)の感染に起因する病気です。先述した敗血症と同じく、症例数・発生率ともに、前年度と大きく変動はありません。 手術・処置等の合併症は、仮に最善の治療を行っていたとしても、一定の確率で生じるものです。例えば、手術や創傷処置後の創部出血や縫合不全、細菌感染などがそれに当たります。今年度は110件発生しており、前年度は126件でした。今年度は前年度と比較して、外来及び入院患者さんや手術件数などが増加していますので、相対的にみて、今年度の合併症の発生件数は減少傾向にあると言えます。 今年度の症例数110件のうち、最も多かった合併症は「吻合部狭窄」で、次いで「後出血」、「術後創部感染」となっています。吻合部狭窄は、消化管のつなぎ目(吻合部)のむくみや癒着、ねじれなどが原因で、その部位や周囲の消化管が狭くなること、後出血は止血後に再び出血すること、術後創部感染は手術後の手術部位等に感染が生じることです。 当院では、様々な合併症の発生を未然に防ぐよう努力するとともに、万が一合併症が出現した場合は早急に対応できるよう体制を整え、起こりうる合併症については、事前に患者さんや家族に説明を行い、同意を得たうえで治療を進めていく方針としています。