研修の目的・特色
地域医療支援病院である当院の糖尿病内科では、病診連携を中心とした糖尿病患者の受け入れを中心に診療を行うとともに、日本糖尿病学会認定教育施設として糖尿病専門医の教育・ 育成に努力を行っている。また、糖尿病治療はチーム医療が主 体の診療であり、K一DiEET (Kakogawa一Diabetes Exercise Education and Treatment)チームを結成した。生活習慣やSMBG ・インスリン注射の指導を行う看護師、食事指導を行う栄養指導士、薬剤指導を行う薬剤師、運動療法を指導する理学療法士、合併症検査を行う臨床検査技師が集まって実践している。糖尿病療養指導士達が患者指導にあたっており、週1回の糖尿病勉強会・ケースカンファレンスを行っている。
- 多くの1型糖尿病患者の急性期DKA, CGMS,CSIIなどを経験できる
- 糖尿病における低血糖、シックデイ、昏睡に対する急性期対応を経験する
- 専門外来、フットケア外来や教育入院などを通じて糖尿病合併症の評価・治療を体験できる
- 加古川中央市民病院糖尿病チームK-DiEETによるチーム医療を経験できる
- 妊娠糖尿病、糖尿病合併妊娠、膵臓手術症例、ステロイド糖尿病など豊富な症例を体験できる
- 学会発表の際には抄録作成、スライド作成、発表原稿作成、質疑応答の準備などの段階で指導・サポートを受けられる
- 日本糖尿病学会の専門医取得のために必要な症例数は十分にあり、学会発表や患者教育(糖尿病教室、世界糖尿病デーなど)も実践でき、専門医取得の要件に合致した質の高い研修が可能である
週間スケジュール
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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午前 | 病棟業務 | 外来 | 病棟業務 | 肥満外来(隔週) | 病棟業務 |
午後 | 初期研修医カンファレンス、 専攻医カンファレンス※1 | フットケア 回診 | フットケア 外来 内科オープンカンファレンス | NST回診、教育入院の講義 | K-DiEETカンファレンス※3 |
- ※1.初期研修医の発表練習のカンファレンスとは別で、専攻医専用のカンファレンスの時間を毎週設けています。外来や入院で困っている症例をこの時間に相談、情報共有するようにしています。また学会発表の予演会などを行うこともあります。
- ※2.フットケア外来では、下肢の状態 足背動脈と後脛骨動脈の触知 振動覚の測定 アキレス反射の減弱・消失を確認する。(1日患者2人程度)
- ※3.医師、外来・病棟看護師、薬剤師、理学療法士、栄養管理士による多職種合同糖尿病症例カンファレンス
稼働実績・診療実績
専攻医 実績件数
専攻医5年目(2019年4月~2020年3月) 入院主治医115例(内訳下記。重複あり)
糖尿病教育入院 | 60例 | 副腎腫瘍 | 6例 |
糖尿病性ケトアシドーシス(DKA) | 8例 | (副腎腫瘍のうち)PA | 1例 |
(DKAのうち)劇症1型DM発症 | 2例 | (副腎腫瘍のうち)褐色細胞腫 | 1例 |
(DKAのうち)正常血糖DKA | 2例 | 副腎クリーゼ | 1例 |
HHS | 2例 | ACTH単独欠損症 | 1例 |
低血糖 | 9例 | irAEによる二次性副腎皮質機能低下 | 1例 |
糖尿病合併妊娠 | 1例 | 甲状腺中毒症 | 1例 |
GDM、糖尿病合併妊娠の併診 | 20例以上 | 粘液水腫性昏睡 | 1例 |
業績
学会・研究会・講演会
投稿論文
指導医からのメッセージ
糖尿病・代謝内科 主任医長 高橋 陸
当科は常勤スタッフ3人です。人数は少ないですが、上記の専攻医の症例をみての通り、当科疾患を幅広くみており、東播磨地域の中核病院として多数の患者を受け入れています。
糖尿病に関しては、当院は日本糖尿病学会認定教育施設であり、糖尿病専門医を目指す方は全力でサポートしています。一般的な2型糖尿病の教育入院はもちろんですが、初発を含めた1型糖尿病も多く症例が集まり、CGMやSAP・CSIIなど先進機器も積極的に導入しています。そのほか、妊娠糖尿病、膵性糖尿病、ステロイド糖尿病、MODY、ミトコンドリア糖尿病など、診療科が充実している病院ならではの特殊な糖尿病症例の診療も経験することができます。
内分泌に関しては、認定教育施設ではありませんが、適宜神戸大学や関連病院と連携し、診療にあたっています。勿論、一般的な甲状腺疾患をはじめ、副腎・下垂体疾患も診療経験することができますので、基本的な診療能力はきっと身に付くはずです。
救急症例も、DKAやHHSなどの急性代謝障害はもちろん、甲状腺・副腎クリーゼも稀ではありますが年間数例程度対応しています。
当科の研修の特徴として、常勤が少ない事もあり、様々な症例を幅広くみれることでき(持ちたい症例があれば融通も利きます)、一人一人が手厚く指導を受けることができると考えています。後期研修医専用のカンファレンスを毎週しており、難しい症例や困っている症例を気軽に相談する時間を作っています。珍しい症例に関してはみんなで調べたり勉強したりする事もあります。また、消化器外科とともに減量代謝改善手術の治療にも携わっており、内科として肥満症治療を経験できる点も当院の特徴の一つと考えます。
糖尿病チームを中心に毎週多職種カンファレンスも行いコミュニケーションをとっているので、コメディカルとの連携もばっちりです。チーム医療を体現できている、非常に働きやすい職場だと思っています。興味のある先生は是非研修を検討してみてください。一緒に働けるのを楽しみにしています。
専攻医からのメッセージ
世界糖尿病デー
2016年11月14日
2017年11月14日
2018年11月14日
2019年11月14日
学会認定
スタッフ紹介
専門分野
学会専門医・認定医
日本糖尿病学会糖尿病専門医・指導医
厚生労働省認定臨床研修指導医
一般社団法人日本病態栄養学会認定栄養サポートチーム研修修了