新型コロナウィルス感染症が終息する気配はまだありませんが、ワクチンを初め様々な対処方法は確立されつつあります。ここ最近は、妊婦の方々から新型コロナワクチンに関して質問を頂く機会が増えていますので、現時点での情報提供を致します。詳しくは、厚生労働省等のホームページもご参照くださいね。
#02 妊婦さんもワクチン接種をしましょう!!
第5波に入り新型コロナウィルス感染症は若年層を中心に急速に拡大し、多くの妊婦さんの感染が確認されています。当院でも現時点で約40例の妊婦感染例を取り扱ってきました。
妊娠後期に新型コロナウィルスに感染すると重症化しやすいとされています。
よって、米国疾病対策センター(CDC)は妊婦さんへのワクチン接種を強く勧めています。日本の各種学会でも妊婦さんは妊娠週数を問わずワクチンを接種することを勧めています。また、妊婦さんが感染する場合の約8割は家庭内感染なので、ワクチン接種が可能なご家族にもワクチン接種をお願いします。なおワクチン接種による感染の心配はありません。
2021年9日3日時点の厚生労働省ホームページには、「妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の方もワクチンを接種することができます。日本で承認されている新型コロナワクチンが妊娠、胎児、母乳、生殖器に悪影響を及ぼすという報告はありません。妊娠中の時期を問わず接種をおすすめします。」と記載されています。
もちろん予定された2回のワクチンを接種しても、これまでと同様に感染予防策は続けましょう。
Q. ワクチンを接種してもお腹の赤ちゃんは大丈夫?
米国でワクチンを接種した妊婦さんに行った調査では接種部の痛み、頭痛、体のだるさ、寒気、発熱などの副反応を認めましたが、妊娠していない女性と同程度でした。また流産や死産、早産などの頻度が増えることもありませんでした。現在も調査が進行中です。
Q. ワクチンを接種しても授乳は大丈夫?
ワクチン接種後のお母さんの母乳を飲んだ赤ちゃんで問題が見られなかったとの報告もあります。一方でワクチン接種した方の母乳中に新型コロナウィルスに対する抗体が確認されています。この抗体が授乳中の子供を感染から守るのではと期待されています。
Q. ワクチンを接種するまでに感染してしまったら?
妊娠中、特に妊娠後期は重症化するリスクが高い可能性があります。
感染の重症化が確認もしくは予期された場合、お母さんの治療を優先するために当院では原則的に帝王切開分娩を行う方針としています。なお感染により赤ちゃんの先天性障害や流産・死産・新生児死亡のリスクが高いとする報告は現時点ではありません。中後期の感染では早産のリスクが高く、新生児集中治療室への入室を必要とする事例が多かったと報告されています。
ワクチンを接種しても、これまでと同様に感染予防策は続けてくださいね。
- 産婦人科
科部長 宮本岳雄 - マスクを外す機会が少し増えて、周りの人の笑顔から元気をもらう機会も増えました。
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