今回は「関節リウマチ」の病気についてお話します。壊れきった関節に対する治療は、整形外科の先生による手術療法しかないのですが、わたしたち内科のリウマチ専門医は、関節が壊れてしまわないように治療薬を使い分けるとともに、特に感染症などのお薬の副作用を予防したり、早めに発見し治療するなどの細かい心配りを行うことで、みなさんが変わらない日常を送れるよう努めています。
#05「関節リウマチ」はこんな病気
図1)厚生労働省 :平成28年国民生活基礎調査 概況 「第10表 性・年齢階級・症状(複数回答)別にみた有訴者率(人口千対)」より
関節=ふしぶし、の痛みはお歳をとると多くの方が経験するものです。その原因の多くは軟骨がすり減るなどの加齢に伴うものなのですが(図1)、関節リウマチはすこしかわった原因で起こります。
みなさんのからだをばい菌やウイルスなどの外敵から守るはたらきのことを「免疫」と呼びますが、関節リウマチでは、この免疫が暴走して、自分の関節を敵と間違えて攻撃することで炎症が起き、骨や軟骨を壊してしまいます(図2)。
なぜこのような間違えがおきるかは原因不明ですが、女性に多い病気ですので女性ホルモンや、そのほかたばこも関係していると言われています。
図2)
「関節リウマチ」の診断方法
自分のまちがった免疫のはたらきに攻撃された関節は腫れて痛むのが特徴ですので、まずは医師の診察を受けて腫れを確認してもらいます。加齢による関節の症状も同じような腫れや痛みが起きることがありますので、血液検査でリウマチ因子が陽性かどうか、リウマチ因子よりも関節リウマチに特徴的な「抗CCP抗体」が陽性かどうか、炎症の反応が上がっているかどうかを調べたり、レントゲンや超音波検査などの検査も組み合わせて診断します(図3)。
なかでも超音波検査はこれだけで診断できることもあり、最近ではもっとも重要な検査のひとつになっています(図4)。
図3)出典:慶応義塾大学病院 https://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/000402.html
図4)出典:東京女子医科大学 HPより
- リウマチ・膠原病内科
主任科部長 山根 隆志 - 壊れきった関節に対する治療は、整形外科の先生による手術療法しかないのですが、わたしたち内科のリウマチ専門医は、関節が壊れてしまわないように治療薬を使い分けるとともに、特に感染症などのお薬の副作用を予防したり、早めに発見し治療するなどの細かい心配りを行うことで、みなさんが変わらない日常を送れるよう努めています。
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