はじめに
当院では2018年11月から肥満手術を行っています。手術までの内科的減量治療は、糖尿病・代謝内科での肥満外来で行っています。
また、肥満症にともなう糖尿病、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症などの治療も行っていきます。
肥満の定義
BMI=体重(kg)÷{身長(m)}2
BMI25以上を肥満と定義し、BMI25~30を1度肥満、30~35を2度、35~40を3度、40以上を4度と決められています。
肥満症と肥満の違い
肥満に健康障害もしくは内臓脂肪の蓄積を伴うものを肥満症と定義されています。
BMI35以上で健康障害もしくは内臓脂肪の蓄積を伴うものを高度肥満症といいます。
出典:肥満症治療ガイドライン2016
肥満症に関連する健康障害*
- 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
- 脂質異常症
- 高血圧症
- 高尿酸血症・痛風
- 冠動脈疾患:心筋梗塞・狭心症
- 脳梗塞:脳血栓症・一過性脳虚血発作
- 非アルコール性脂肪性肝疾患
- 月経異常・不妊
- 閉塞性睡眠時無呼吸症候群
- 運動器疾患:変形性関節症(膝・股関節)・変形性脊椎症・手指の変形性関節症
- 肥満関連腎臓病
内科的治療
初回の治療内容
- 血液検査
- レントゲン
- 脈波測定
- 心電図
- 運動時/安静時代謝測定
- 腹部CT
- 腹囲・血圧測定
- 治療内容/食事記録の説明
6か月プログラム(月1回)
- 診察、二次性肥満の検査、治療方針の説明(医師)、管理栄養士による食事指導(栄養管理室)
肥満外来チームメンバー
学会のガイドラインなどで肥満外科治療はチームで行うことが必須となっています。
当院では2018年4月より肥満外科ミーティングを行っています。
手術の適応などはチーム全員で判断を行います。
- 消化器外科医: 肥満外科手術を担当します。
- 糖尿病内科医: 術前術後の投薬治療を行います。
- 精神科医 : 精神疾患の鑑別・管理を行います。
- 消化器内科医: 術前・術中・術後の内視鏡検査を担当します。
- 麻酔科医 : 手術の麻酔を担当します。
- 管理栄養士 : 術前、術後の栄養指導を行います。
- 理学療法士 : 周術期のリハビリを行います。
- 臨床心理士 : 術前術後のカウンセリングなどを行います。
受診方法
かかりつけ医よりの紹介状をお持ちの上、木曜日の肥満外来へお越しください。
糖尿病・代謝内科 高橋(第1・3・5)、肘井(第2・4)
肥満外科手術の紹介
当院では、2018年11月より肥満手術を行っています。2021年10月までに24例の患者さんに施行しています。