今回は、糖尿病の早期発見や、診断の際に大切な検査項目である「血糖値」と「HbA1c」について説明させていただきます。健康診断でもよく目にする項目ですが、測定する意味をご存知ですか?
知っていると知らないとでは、検査データの見え方が変わってくると思いますので、ぜひ一読ください。また、ご自身の検査データが今回表記している基準範囲内では無いからといって、糖尿病と診断されるわけではありません。受診されている主治医の先生へご相談ください。
#06 血糖値とHbA1cについて
糖尿病とは「血液中のブドウ糖濃度が高い状態、高血糖が慢性的に続く疾患」です。
そのため、早期発見や診断には血糖値が重要です。
しかし、ひとえに血糖値といえども採血のタイミングや条件により意味合いが異なってきます。
糖尿病の診断に関係する血糖値の種類は以下の通りです。
早朝空腹時血糖値
10時間以上絶食した後の血糖であり、夕食後は絶食にして朝食前に測定します。
随時血糖値
空腹時以外のタイミングで採血され、時間を決めず血糖を測定します。
糖尿病が疑われる場合には、血糖値以外にHbA1c、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)も測定されます。
HbA1c
採血時から過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映することから、血糖コントロールの指標として用いられます。
基準範囲:4.9~6.0(%)
経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)
糖尿病の診断(正常型、境界型、糖尿病型)のための検査です。
早朝空腹時の状態で検査溶液を飲み、糖負荷後2時間経過した血糖を測定します 。
【引用文献】 文献)日本糖尿病療指導士認定機構(編・著)糖尿病療養指導ガイドブック2020
検査項目の空腹時血糖値、負荷後2時間血糖値から
正常型、境界型、糖尿病型に分類されます。
正常型
- 空腹時血糖値:110 (mg/dL)未満、および負荷後2時間血糖値:140 (mg/dL)未満
境界型
- 空腹時血糖値:110~125 (mg/dL)、および負荷後2時間血糖値:140~199 (mg/dL)
- 生活習慣の改善と定期的な検査が勧められます。
糖尿病型
- 空腹時血糖値:126 (mg/dL)以上、または負荷後2時間血糖値:200 (mg/dL)以上
- 糖尿病と診断されるわけではありません。医師の指示に従い、治療して下さい。
【引用文献】 文献)日本糖尿病学会(編・著)糖尿病治療ガイド2020-2021.文光堂,東京, p,28,2020,改変
- 臨床検査室
検査技師 高岡欣也 - 0歳ベビーの子育てを、日々奮闘しております。大変ですが、それ以上に可愛く毎日癒されてます。
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