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腎臓がん | 加古川中央市民病院

腎臓がん

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腎臓がんについて

腎臓は成人のこぶし大の大きさでソラマメのような形をした、肋骨の下あたりに左右1つずつある臓器です。主な働きは、血液をろ過して尿をつくります。腎臓がんは腎臓の細胞ががん化し、悪性腫瘍になったものです。腎細胞がんともいいます。

症状

初期症状として特徴的な症状はなく、小さいうちに発見される腎細胞がんは、健康診断や、他の病気が疑われたために行う検査などで偶然に発見されるものがほとんどです。腎細胞がんが大きくなると、以下の症状がみられます

  • 血尿
  • 背中・腰の痛み
  • 腹部のしこり
  • 足のむくみ
  • 食欲不振
  • 吐き気や便秘
  • おなかの痛み

転移に伴う症状

  • 肺:胸の痛み、咳、血痰など
  • 骨:骨の痛み、病的骨折など
  • 脳:頭痛・片側の運動麻痺

がんが全身へ広がると、発熱、倦怠感、体重減少などの全身症状があらわれます。

検査

多くの場合、腹部超音波検査やCT検査で見つかりますが、腫瘍の性質をさらに詳しく調べるために、造影剤を用いたCTやMRI検査などを追加することもあります。画像検査で診断ができない場合には、必要に応じて腫瘍の針生検を行います。血液検査は全身状態や腎臓の機能を調べるために行います。

治療方法

治療方針は患者さんの身体の状態や年齢、ご希望なども含め検討し、患者さんと担当医との話し合いによって決めていきます。腎臓がんの治療には、手術(外科治療)、凍結療法、薬物療法、放射線治療などがあります。できる限り手術でがんを取り除きますが、手術が難しい場合は薬物療法や姑息的放射線治療などを行います。

手術療法

外科治療

手術の方法は開腹手術と腹腔鏡下手術、ロボット支援手術があり、一般的には腹腔鏡下手術とロボット支援手術が手術中の出血量や術後の痛みなどの面で患者さんへ負担が少ない手術とされています。

ロボット支援下腹腔鏡下腎部分切除術(RAPN)
がんを取り除くために、がんが生じている部位の腎臓を部分的に切除する術式です。残った腎臓の機能を温存できるという利点があり、長期的な視点でみたときに、腎機能の低下とそれに伴う合併症への影響を小さくできることから、より好ましい術式です。当院では主に4cm以下の小さながんの場合に選択されますが、がんの位置などによっては選択できない場合があります。

根治的腎摘除術(開腹、腹腔鏡)
がんのある側の腎臓をすべて取り除く術式です。腫瘍や患者さんの状態から、腎部分切除術の実施が適切ではない場合に選択されます。通常は、手術で片方の腎臓を摘出しても、残ったもう片方の腎臓で機能を補うことができるため、日常生活に支障を来すことはあまりありません。

凍結療法
腎臓がんに皮膚から 1.5mm 程度の細い針を刺し、針の先端部を超低温にすることにより、腎臓がんを凍結と解凍を繰り返す事により癌細胞を壊死させる治療です。対象となるのは、組織学的に悪性と診断された小径の腎腫瘍で、心機能障害など重篤な合併症を認めるため全身麻酔で手術を施行するのが困難な場合や、患者様が手術を希望されない場合などに施行します。

薬物療法

転移がある方や合併症などのため手術が困難な方の場合は薬物療法を行います。腎臓がんに対する主な薬物療法は「分子標的療法」「免疫チェックポイント阻害薬」などがあります。治療で使う薬は、がんやからだの状態、前の治療で使用した薬の種類などをもとに選択されます。

分子標的療法

分子標的薬は、がん細胞の増殖に関わるタンパク質や、栄養を運ぶ血管、がんを攻撃する免疫に関わるタンパク質などを標的にしてがんを攻撃する薬です。

免疫チェックポイント阻害薬

患者さん自身にもともとある免疫の力を使ってがん細胞への攻撃力を高める、これまでとは異なる作用がある「がん免疫療法」のお薬です。最近ではより高い治療効果が期待できる免疫チェックポイント阻害薬同士の併用や免疫チェックポイント阻害薬と分子標的療法の併用療法が保険適応になり標準治療になりつつあります。

放射線治療

放射線治療は、患部に放射線をあてることにより、がん細胞を死滅させる治療法です。脳や骨に転移がある場合に、がんの進行を抑えたり、痛みを和らげたりするために行うことがあります。主に緩和的な効果を期待して行われます。

監視療法

手術などの治療をせず、CT検査、MRI検査、超音波検査の画像検査を定期的に行いながら、がんや体の状態などの経過を観察することを監視療法といいます。がんが小さく、腎臓内にとどまっているような、いわゆる早期のがんの場合に選択することがあります。特に、高齢であったり、他の病気にかかっていたりするために手術に危険が伴う場合には、選択肢の1つとなります。

スタッフ

専門分野

泌尿器科腫瘍
男性性機能

学会専門医・認定医

日本泌尿器科学会泌尿器科専門医・指導医
ダヴィンチサージカルシステム認定資格
厚生労働省認定臨床研修指導医
医学博士

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