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膀胱がん | 加古川中央市民病院

膀胱がん

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膀胱がんについて

膀胱は骨盤の中にある袋状の臓器です。腎臓から腎杯、腎盂、尿管を通って流れてくる尿を溜め、ある程度の量になると体外に排出すのが膀胱の役割です。

膀胱の壁は内側から尿路上皮粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜という層に区別されており、膀胱にできる悪性腫瘍の90%は膀胱の内腔をおおっている尿路上皮という粘膜から発生します。80%は粘膜内でとどまる表在性のものですが、膀胱を越えて広がり、リンパ節や他の臓器に転移をする場合もあります。

症状

  • 血尿
  • 頻尿
  • 排尿時の痛み
  • 残尿感 

検査

  • 尿検査
  • 尿細胞診
  • 超音波(エコー)検査
  • 膀胱鏡検査(内視鏡検査)
  • CT検査
  • MRI検査
  • 骨シンチグラフィ など

治療方法

治療法は、がんの進行の程度や患者さんの体の状態などから検討します。

手術療法

経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)

膀胱がんの悪性度(腫瘍の顔つきの悪さ)・深達度(腫瘍の深さ)を確認する検査手段として、また、腫瘍が表在性であれば、完全にがん細胞を摘除する治療手段としてまず第一に行う手術です。尿道から膀胱内に内視鏡を挿入し、病巣部を電気メスで切除します。同時に病巣部以外の粘膜を数箇所から採取し、がん細胞の有無を顕微鏡で検査します。開腹手術に比べ簡便で身体的負担が少ないことが特長ですが、膀胱壁の外側まで切除することはできません。

開腹膀胱全摘術
一般に浸潤性がんの場合に行われますが、表在性であっても、悪性度が非常に高いがん、再発を繰り返すうちに悪性度や深達度が上昇するタイプ、BCG膀胱内注入治療に反応しない上皮内がんの場合などにも適用されることがあります。がんが完全に治る(根治)可能性が一番高いですが、尿路変更術(尿を出す場所を変える手術)も同時に必要になります。また、全身麻酔が必要で治療の中では最も体に負担のかかる治療なので、高齢であったり持病があったりして体の弱い方はできない場合もあります。癌のある部分だけ部分的に摘出する方法(膀胱部分切除術)もありますが、根治性に劣り、再発のリスクが高いので根治術としてはすすめられません。やむを得ず姑息的手術として行う手術です。

ロボット支援下腹腔鏡下膀胱全摘除術(RARC)
ごく最近になり保険適応になった手術です。従来の開腹手術に比べて出血量が少なく、術創も小さくできるので、現在最も推奨される手術です。ご希望の患者さんには手術可能な施設に紹介させていただいております。

尿路変更術
膀胱を摘除してしまうと、尿をためておく臓器がなくなるので、尿を安全に体外に排出する尿路変更術が膀胱全的術とセットで行われます。以下に代表的な尿路変更術を示します。尿管皮膚瘻、回腸導管は腹部にストマを貼付し、体外に尿をためないといけません。自然排尿型代用膀胱は体内で蓄尿でき、今までの排尿に近いというメリットがありますが、その分手術侵襲も大きく、時間もかかります。

放射線療法

放射線を膀胱癌に照射し治療します。体力的に手術が厳しい場合や膀胱を温存したい際に行われます。根治性はどうしても低くなります。

薬物療法(抗がん剤)

転移がある場合やその可能性が高い際に抗癌剤を投与します。また、前述した手術の根治性を高めるために、術前あるいは術後の補助治療として行うことがあります。

膀胱内注入療法(抗癌剤、BCG)

内視鏡手術のあと癌の膀胱内再発を防ぐために行われます。抗癌剤よりBCGの方が有効といわれていますが、激しい膀胱炎・発熱・頻尿などの副作用の発現率が高いです。

スタッフ

専門分野

泌尿器科腫瘍
男性性機能

学会専門医・認定医

日本泌尿器科学会泌尿器科専門医・指導医
ダヴィンチサージカルシステム認定資格
厚生労働省認定臨床研修指導医
医学博士

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